eスポーツ格ゲー講座の第7回目。

本講座では現在非常に注目度の高いeスポーツジャンルである格ゲーについて、全くプレイしたことがない初心者の方でも無理なく上達できるよう知識やノウハウをお伝えするものとなっております。
もしかしたらこれを見ると本当にプロゲーマーになれてしまうかも!?(笑)
というのは半分冗談で書いていますが、半分は本気というかそれぐらい真剣に充実した内容をお伝えできればと思っておりますので、みなさまよろしくお願いいたします!

さて、前回の講座でついに対人戦デビューを果たしたわけですが、おそらく最初は勝ったり負けたりでもしかしたら負けることの方が多いかもしれません。
でもあきらめないでください。課題を1つずつ克服していけば必ず勝ちに結びつきます。

第7回目の講座では、格ゲーの対人戦において常に繰り広げられる読み合いについて解説していきたいと思います!

なお、前回のeスポーツ格ゲー講座の記事はこちらからどうぞ↓

読み合いとは

読み合いとは、相手が次にこういうふうに行動するだろうということを前もって予測することを言います。
読み合いをせずにリスクの小さい行動だけで勝てるのであれば、余計な勝負に行くような戦法をとる必要はないのですが、実力が拮抗している者同士の戦いとなると必ず要所でお互い勝負に行かないといけない場面が出てきます。
そういった時にあらかじめ相手の行動を予測することができれば、勝負を仕掛ける際に正解の行動を選択できたり、相手の行動に対して素早く正確な対応が可能となるわけです。

格ゲーの読み合いはみなさんご存知のじゃんけんに例えることができます。
じゃんけんはグーとチョキはグーが勝ち、チョキとパーはチョキが勝ち、パーとグーはパーが勝ちますよね。
格ゲーの試合中も大まかに見ればそういう要素がいたる場面で発生しており、相手のこの攻撃(チョキ)を読んでこれ(パー)を出して見事に当たったみたいな展開が起こっています。

ただし、じゃんけんは勝つか負けるかの結果しかありませんが、格ゲーの場合は読み合いに勝った際のリスクリターンが状況によって異なります。
これを通せたら有利だけど、はずしたら逆にすごく不利になってしまうような選択肢もよくあります。
そうするといきなりバクチはできないので、最初はお互い様子見でリスクの小さい行動をとるのが普通で、そこからいかに相手の動きを自分が支配して動きを読むかが重要となってきます。

じゃんけんをたった1戦だけ行うのであればそれはもう完全に運と言ってもよいと思いますが、仮に100戦する場合を考えてみてください。
途中で相手の手の出し方に癖や傾向があることに気づいてそこを的確に突くことができるかもしれませんし、連続でグーを出し続けて相手のパーを誘導し、ここぞいうときに裏切りのチョキを刺すみたいな戦法も考えられます。

格ゲーというのはある意味では非常に公平なゲームであり、誰がプレイしても同じキャラクターが繰り出す技は全く同じです。
ということは、相手の行動を読んでシステム的に勝てる技を出せば、その場面においては誰でも同じ勝ちという結果が起こります。
上級者は相手の動きをコントロールすることに長けていて技を出すタイミングが的確であるということです。
別にじゃんけんでなくても、トランプゲームのババ抜きとかポーカーでも同じです。
強い人はいろんな手を使って相手を揺さぶりますよね。

格ゲーでなかなか勝てない人はこの読み合い(勝負の駆け引き)を理解していない場合が多く、ただなんとなく自分のやりたいことをやって思うように勝てないパターンが多いです。
相手の行動ばかり通って自分の行動はことごとく返されて負けてしまうといった場合、そこには明確な理由が必ずあって、なぜそうなっているのかを読み合いを念頭に置いて理解することが、格闘ゲームの上達において非常に重要となります。

読み合いの一例

格ゲーにおける具体的な読み合いの例を挙げていきます。

地上戦における技の差し合い

主に出が早く隙の小さい技が、地上戦における差し合いとして優秀な技といえます。
また、隙は大きいものの当てるとダウンを奪える大足も地上戦において要となる技です。

読み合いの構図としては概ね下記のとおりで、

お互い同じぐらいのタイミングで技を出した場合
→相打ちになるor一方勝ちするor一方負けする

これを前提として、

相打ちになるor一方負けする
→相手に先に技を出させ、その隙に技を出す(差し返し)

一方勝ちする
→そのまま強気に押す
→相手が嫌がって固まったところに別の選択肢(投げ等)を仕掛ける

という読み合いが発生します。

一方勝ちできる技であったり、そもそも隙が小さい技は強気に押すことができ、不利側は適当に同じように技を出していては状況が悪化するということをしっかり理解する必要があります。

飛び道具関連の読み合い

飛び道具は相手をけん制する上で非常に効果的な技ですが、かわされると隙が大きいことが多く、飛び込みを通されると手痛い反撃をもらってしまいます。

ここでは前ジャンプによる反撃が届く間合いでの飛び道具に注目します。
読み合いの構図としては概ね下記のとおりで、

飛び道具を撃つ
→相手がガード/飛び道具相殺/垂直ジャンプ避け/前ジャンプからの反撃

これを前提として、

ガード/飛び道具相殺/垂直ジャンプ避け
→お互い膠着状態でいつ裏切るかの読み合いが発生する(じゃんけんで言うあいこに相当)
※ガードであれば削りダメージを与えつつ陣を押すことができるので勝ちに近い

前ジャンプからの反撃
→飛び道具を撃っていないor相手の飛び込むタイミングが遅い場合は対空で迎撃(じゃんけんで言う勝ちに相当)
→飛び道具を撃っていれば飛び込みから手痛いカウンターをもらう(じゃんけんで言う負けに相当)

という読み合いが発生します。

重要なのは、飛び道具は出せば確実に試合が動くということで、連続で撃って相手にプレッシャーをどんどん与えて陣を押すことができる反面、読まれると飛び込みから手痛い反撃をもらいます。

よく負けた人が「飛び道具を撃ったから飛ばれて負けた」と言って、以降飛び道具を減らしたりする人がいますが、それは大きな間違いで、飛び道具を減らすということを相手に読まれればプレッシャーが弱まり、地上から簡単に近づかれて同じように不利な状況にもっていかれます。

大事なことは、なぜ相手が自分の飛び道具に対して前飛びを通せたのかを分析するということです。
きちんと根拠があったかもしれませんし、もしかしたら偶然だったのかもしれません。

言い方は悪いですが、相手がたまたま考えなしに前飛びして偶然それが通ったのであれば、自分が根拠を持って飛び道具を出している分にはそれは事故と思って割り切ればいいです。
もちろん、そういった偶然にも対応できる絶妙な飛び道具の撃ち方を模索することは必要ですが、目の前の勝敗よりもトータルで勝ちきる動きを身につけるという考え方で練習を続けることが重要です。

しかし、相手がきちんと根拠を持って前飛びを通したのであれば、それをきちんと理解して自分の動きを修正する必要があります。
たとえば、飛び道具のコマンド入力の前兆(しゃがみポーズ等)を見てから飛ぶとか、手癖で2回連続で飛び道具を撃っているのを読んで飛ぶといったパターンは、飛び道具に対して根拠のある飛び込みを仕掛ける際の判断材料としてよく狙われます。

読み合いに強くなるためには

格闘ゲームが強いプレイヤーは読み合いに強く、相手の行動を分析してそれに対応した行動を的確に選択します。
根拠がしっかりしている分通る行動が必然的に増え、有利な試合展開に持っていきやすいわけです。

この読み合いを理解する上で個人的におすすめなのは、自分よりも少しレベルが高い(負ける)プレイヤーと対戦し、試合の勝ち負けよりも場面を切り取って読み合いの内容を1つずつ理解することです。
場面ごとに相手の行動が通るのはなぜかを考え、気づいたことを相手に質問してみてください。
そこで相手からの回答を聞くと、読み合いの理解度が一気に上がってきます。
勝敗に関しては読み合いが理解できてくれば後から必ず結果がついてきますので、まずは場面ごとにどんな読み合いが発生しているかを把握するようにしてください。

総評

格ゲーにおいて読み合いは必要不可欠な要素です。
正しい考え方を身につければ誰でも読み合いのレベルは確実に向上し、上級者相手にも太刀打ちできるようになってきます。
ただなんとなくでプレイしたり、試合で起こったことをすべて偶然で片づけず、一つ一つの行動に根拠を持つようにしてプレイを続けてもらいたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます!