みなさんは普段ゲームをプレイする時、どんなモニターにつないでプレイしているでしょうか?
おそらく、自宅にある液晶テレビにそのままつないでプレイしている方が結構多いのではないかと思われます。
しかし、その環境だと遅延の影響が大きく、知らず知らずのうちにゲームのプレイに支障が出ている可能性があります。
特にFPSや格ゲーなどの一瞬のタイミングの差が勝敗を決することもあるジャンルでは、最大限のパフォーマンスを発揮できるような環境作りが不可欠となってきます。

今回はゲームをより快適にプレイする上で非常に差の出る部分であるモニターについて着目し、おすすめのゲーミングモニターをご紹介させていただきたいと思います!

なお、格闘ゲームをプレイする上でおすすめのアケコンについても別記事にてまとめておりますので、よろしければぜひこちらもご覧くださいませ!

ゲーミングモニターとは

ゲーミングモニターとは、ゲームを快適にプレイできるように開発されたモニターであり、通常のモニターと比較して具体的には下記の特徴があります。

  • 応答速度が速い
  • リフレッシュレートが高い
  • 入力遅延が少ない

これらの要素のおかげで、ゲームプレイにおいて最大限のパフォーマンスを発揮できるようになります。
ゲーミングモニターを開発している各メーカーも、上記の要素で自社製品の素晴らしさをアピールしています。

ゲーミングモニターが有利な点

ゲーミングモニターを使うとゲームをプレイする上でどのように有利なのかを挙げていきます。

応答速度が速い=残像が少なくなる

応答速度とは、簡単に言えば「モニターの色が切り替わる速度」です。
モニターの色の切り替わりが遅いと、次のコマに映像が切り替わっても前のコマの絵が残像として画面内に残ってしまいます。
下記の動画をご覧ください。

左が応答速度の速い新型、右が応答速度の遅い旧型となっていますが、応答速度が遅い右側のモニターは画面に残像が現れてしまっているのに対し、応答速度の速い左側のモニターは画面が激しく動いてもくっきりと映像が映し出されています。
これを見ていただけると、残像が少ないほど快適にゲームがプレイできるということがお分かりいただけるかと思います。

モニターによっては別途残像を低減するモードが搭載されているものもありますが、これはあえて表示を遅延させることで残像をなくす仕組みですので、このモードでゲームをプレイすると表示遅延の影響を受けやすくなってしまいます。

もともと応答速度の速いゲーミングモニターであればその心配もありません。
具体的には、モニターのスペック表に「応答速度:1ms(以下)」と書かれてあるモニターがおすすめとなっています。

※よく勘違いされている部分として、応答速度が速い=入力遅延が少ないというわけではないことには注意してください。入力遅延は「モニターに映像が伝わるのにかかる時間」で、応答速度は「伝わってから実際に表示されるのにかかる時間」ですので、両者は別の要素となっています。

リフレッシュレートが高い=滑らかで遅延のない映像が表示できる

リフレッシュレートとは、「モニターが1秒間に表示できる画像の枚数」のことです。
映像は言ってしまえばパラパラ漫画と原理は一緒で、静止画を連続で表示させることで映像が動いているように見えるわけです。
リフレッシュレートが高いということは、1秒間に表示するコマ数が多く高速でパラパラしている状態なので、映像の動きが滑らかになります。

また、リフレッシュレートが高いほど遅延が少ないというメリットもあります。
一般的な60Hzモニターは1秒間に60コマ、つまり約0.017(1/60)秒に1回の頻度で画面を更新していますが、144Hzモニターの場合だと、約0.007(1/144)秒に1回の頻度で画面が更新されます。
画面が早く更新されるということは、相手よりコンマ数秒先の未来を先に知ることができると言えるので、ゲームを有利に進めることが可能となります。

リフレッシュレートの比較動画を見ても、リフレッシュレートが高いとゲームをプレイしやすくなるということがお分かりいただけるかと思います。

しかし、どのようなゲームでもリフレッシュレートの高さによるメリットを受けられるわけではありません。
FPSなどのフレームレートが60を超える表示がされるジャンルであれば、確かにリフレッシュレートの高さによるメリットはありますが、格ゲーでは基本的に60fpsの制限がかけられているため、1秒間に60フレームしか処理されないゲームでリフレッシュレートが高いモニターを使ってもあまり恩恵がないということには注意しなければなりません。

※フレームレート=動画において、単位時間あたりに処理させるフレーム数(静止画像数、コマ数)であり、fps(frames per second)という1秒あたりの数値で表されます。

入力遅延が少ない=相手より先に行動できる

この入力遅延は個人的に最も気にするべき部分であると考えています。
どんなゲームでも、自分が操作した内容がスムーズに画面に反映されれば非常に快適なプレイが可能ですし、ましてや対戦ゲームで競い合うことを想定した場合、入力遅延に差があると同じタイミングで操作を行っても、遅延の少ない方が相手より先に行動できる分有利に進めることが可能となります。
格ゲーにおいては、相手が飛び込んできたのを見てから対空技を出す、相手が行動したのを見てからカウンターを決める、相手とたまたま同じタイミングで攻撃した、などのいずれのパターンでも入力遅延が少ない方が有利になることは明らかです。

さて、この入力遅延についてもう少し細かく解説していきます。
手元の操作がモニターに表示されるまでの遅延の要因となっている部分には以下のものが挙げられます。

ゲーム機器による遅延

ゲーム機自体に含まれる遅延です。
これは、コンシューマ機であるPS4とXboxといったハードの違いによって、同じタイトルのゲームでも遅延の度合いが変わってきますし、PCであればスペックの違いによってfpsがプレイ中低くなってしまって遅延につながるといったものが考えられます。
なお、いわゆるコンシューマ機でゲームをプレイすることにおいては、使用するハードが同じであればゲーム機器による遅延はプレイヤー間で同条件といえるので、この部分については特にそこまで気にする必要はありません。

コントローラーによる遅延

操作を伝えるためのコントローラーに含まれる遅延です。
これはプレイヤーによって使用するコントローラーにはばらつきがあるため、遅延の差は必ず出てくるのですが、たとえば格ゲーで使うアケコンについては、評判の良いしっかりとしたものであればどれもそこまで大差がない状態ですので、やはりこの部分についても大きく気にする必要はないのかなという気がします。

ディスプレイの内部遅延

モニターに含まれる遅延です。
ゲーム機からモニターに信号が送られ、モニターがそれを処理して表示されるまでの間には必ず遅延が発生するのですが、ここが遅延の中でとりわけ差が出てくるところになっており、ゲーミングモニターは通常のモニターと比較してこの部分が非常に優秀となっております。

実はこのディスプレイの内部遅延、プレイヤーにとって最も重要な部分であるにも関わらず、メーカーが数値を公表していないという何とも困った状況にあります。
ではどうやって比較すればいいのか。
モニターの内部遅延について、海外の有志の方が測定してデータを公表しているサイト「TFT Centralがあります。
トップページのReviewsのタブから各モニターのデータを見ることができ、その中の「Lag」という項目に情報が記載されています。

こんな感じの表があり、上から3番目の「Estimated Signal Processing Lag」が入力遅延となっています。
すべてのモニターが測定されているわけではありませんが、気になるモニターがあれば一度チェックしてみるといいかもしれませんね。

ちなみに単位はms(ミリ秒)となっていますが、ゲームにおいて時間の基本単位でよく使われている1F(フレーム)は1/60秒のことです。
1/60秒=1000/60ミリ秒ですので、1.85ミリ秒=1.85×60/1000=0.111フレームということになります。
もうほとんど誤差のレベルで優秀なモニターということですね!

最近のゲーミングモニターはそもそも内部遅延についてほとんど意識しなくてもよいぐらい優秀なものがそろっていますので、レビューのないモニターであってもメーカーさえ気にすればそこまで身構える必要はないかと思います。

おすすめ格ゲー用ゲーミングモニターの紹介

さて、ここからはおすすめのゲーミングモニターを紹介していきたいと思います!
格ゲーをプレイする上ではあまり大きいモニターではなく、24インチ前後の手ごろなサイズを選ぶ方が画面全体が視界に入って情報を把握しやすいので、その点を意識してピックアップしています。
また、入力端子の種類と数についても多いと何かと便利ですので、こちらについても考慮しました。
それから、格ゲーを行う上ではリフレッシュレートにそこまでこだわる必要はありませんが、FPSなど別のゲームもプレイする予定であれば、ここで紹介した商品の上位モデルを検討していただければと思います。

BenQ ZOWIE ゲーミングモニター RL2460S

台湾を拠点とする世界的電気製品メーカーであるBenQの製品です。
格闘ゲームモードやFPS/RTSモードなど、様々なゲームに最適化された画面モードが搭載されており、手軽にすぐ最適な環境でゲームがプレイできます。
また、端子は
HDMI1.4×2、D-sub、DVIと豊富であり、様々な用途に使用することが可能です。
特徴的なのは、本製品にはHDMI out端子が搭載されており、本モニターから別のモニターへ遅延なく映像を出力させることができ、2台のモニターでゲームセンターの対戦筐体でプレイするような
感覚で対戦することが可能という非常に魅力的なモニターとなっています。
正直これだけでも手に入れる価値が高い製品だと個人的には思いますね。
本製品はEVO Japan 2019を含め、世界各地で行われるゲーム大会に使用されており、多くのプロゲーマーに支持されています。

I-O DATA ゲーミングモニター 24.5インチ EX-LDGC251TB

こちらは国内メーカーであるI-O DATAの製品です。
メーカーが公表しているデータで内部遅延が約0.03フレーム(約0.55ミリ秒)、応答速度は0.8msとなっており、FPSや格ゲーをプレイする上で非常に有利な24.5型のゲーミングモニターとなっています。
基本的にメーカーが公表しない内部遅延を自らアピールポイントとしていることからも、本製品に対する自信の表れがうかがえますね。
価格がリーズナブルで手に入れやすいのもポイントです。
端子は、HDMI×2/DisplayPort×1/アナログRGB×1/ヘッドフォン端子/スピーカー付とこちらも問題なしですね。
また、ゲームの暗いシーンに隠れた敵もより鮮明に映し出すことができる「Night Clear Vision(ナイトクリアビジョン)」を搭載しており、暗闇に隠れた敵や微妙な変化を見逃さず、ゲームを満喫することができます。
さらに、映像にメリハリをつけ、鮮やかに表現する「エンハンストカラー」機能を搭載しています。
安価で高性能なモニターが欲しい方にはぜひおすすめできる製品となっています。

I-O DATA ゲーミングモニター 27インチ EX-LDGC271TB

こちらは27型のゲーミングモニターとなっています。
特徴的なのは、現在販売されているゲーミングモニターの中で最も内部遅延が少ないことで、メーカー公表値は約0.01フレーム(約0.13ミリ秒)となっており、ここまでくると遅延の影響はないといっても過言ではないでしょう。
前述の24.5型のものと同様、端子はHDMI×2/DisplayPort×1/アナログRGB×1/ヘッドフォン端子/スピーカー付となっており、Night Clear Visionも搭載されています。
一般的には24インチ前後のゲーミングモニターが広く使われていますが、徹底的に内部遅延にこだわりたいという方はこのモニター1択となるでしょう。

ASUS ゲーミングモニター24型 フルHDディスプレイ VX248H

台湾の有名メーカーASUSの製品です。
この製品は2016年3月発売のものでやや古いモデルではありますが、リフレッシュレートは標準的な数値であるものの
応答速度が1msと高性能な上、価格が非常に安いという驚異的なコストパフォーマンスを誇るモニターです。
端子はHDMI×2ポート/D-subを搭載しており、必要レベルは十分クリアできています。
アマゾンのレビュー数も高評価が非常に多いため、なるべく低予算で確かなものが欲しいという方におすすめできるモニターです。

総評

モニターはプレイヤーによってばらつきがあり、最も環境に差が出る要素といえる部分です。
ゲーミングモニターでプレイすれば、自身の持つ最高のパフォーマンスを発揮できる環境に限りなく近づけることが可能となるので、何気なくテレビや普通のモニターにつないでゲームをプレイしていた方は、これを機にゲーミングモニターを導入してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございます!