先日6月23日に、実機スト2の10先イベントである第7回X-countが行われ、「しんのすけ(リュウ)vs キモ丸(ベガ)」という組み合わせで熱い戦いが繰り広げられました。
今回のイベントの当事者であるしんのすけさんから、試合内容の振り返りを行いたいと希望がありましたので、自身のチャンネルで配信しながら2人で試合内容の振り返りを行いました。
Contents
振り返り配信
リュウ vs ベガの組み合わせにおけるリュウ側の立ち回り
自分はサブでリュウを結構使うことが多いのですが、個人的な考えで言うと「波動拳でベガを動かす」ということが基本になってくるかと思います。
波動拳によるプレッシャーでベガの突進系の技を制限していき、嫌がって上から攻めてきたところを対空で落としてダウンを奪うのがリュウの理想形であり、ダウンを奪った後のリュウの起き攻めが非常に強力です。
また、ベガの横押しに対してファイヤー波動を近距離でうまく当てるとこれまたダウンを奪え、またこの近距離ではベガは前ジャンプをしても頭上を飛び越すため、リュウにとってはリスクの小さい撃ちどころになります。
このファイヤー波動によるダウンから起き攻めがついてくるところは、明確なキャラ差といえるポイントかと思います。
さらに、画面端での波動拳による鳥かごモードも非常に強力で、ベガ側が波動の切れ目に前ジャンプできない間合いでの小波動連打を基本としつつ、フェイントや大波動を混ぜることでベガをダウンさせ、やはり起き攻めで択を仕掛けてダメージを奪えるとかなり有利となります。
起き攻めとして最も強力なのがめくりジャンプ大Kで、表と裏の判別を困難にさせるようなめくりをリュウ側が仕掛けることが可能です。
また、表からの飛びに対しては、ジャンプ中Kをガードさせた後に投げor中ゴスor中足ファイヤー波動の択を仕掛けられ、ジャンプ小Pの後は間合いが離れないので投げor小竜巻(ベガの投げ返しで漏れたパンチをつぶす)の択を仕掛けられます。
特に小竜巻については当たるとダウンからめくりの起き攻めまでついてきますし、仮に小竜巻にベガが暴れなかったとしてもすぐ背後に着地してめんどくさい状況になって割と反撃されずに済むことが多いので、ジャンプ小Pからの起き攻めは非常に嫌らしい連携であると言えます。
全体として、リュウ側がかなりやれることが多くて起き攻めのチャンスも多くなりやすいので、リュウ側が有利な組み合わせであることは間違いないと思います。
試合内容の振り返りと反省
リュウ側の視点に立って主に気になった点をピックアップしていきます。
試合中のバックジャンプが多い
試合開幕や試合途中での消極的なバックジャンプが非常に目立ちました。
画面端を背負ってしまうとベガの猛攻に付き合う必要が出てくるので、これはあまり得策とはいえないと個人的には考えています。
また、ベガを画面端に追い詰めて鳥かごモードに持っていくことを想定した時もあまりいい動きではないかなと思います。
しかし、しんのすけさん自身は今回キモ丸さん相手に作戦として、距離を空けて対応型の立ち回りでチャンスを作るということを重視していたようで、バックジャンプが多いということだけでは勝ち負けを議論できないのかなという感じはします。
開幕に関しては、ベガ側は立ち大Kやダブルニーや前飛びなどでなんとか先手を取ろうと動いてきますが、様子見ガードや突進技をつぶす立ち中Pなどの通常技置きやファイヤー波動などを駆使して、弱気にならないようにしっかりと構える方がいいのかなと思います。
手癖の波動拳連打が多い
波動拳を連続で撃つ場面が多く、それに対して先読みのヘッドプレスや前飛びを通されている場面が目立ちました。
ベガが先読みで上から仕掛けているということを理解できていれば、裏択として波動拳の後に様子見から昇竜拳や先読み前ジャンプからのジャンプ中Pでカウンターを取ることができます。
要所でカウンターを取れている場面もありましたが、全体としてカウンターを取れている場面が少なかったのが気になりました。
お互い5分の読み合いであればリターンはリュウ側の方が圧倒的に高いので、試合中きちんと読み合いを5分に持っていきたかったポイントだったかと思います。
正面飛び込みの起き攻め時にジャンプ小Pからの択をほとんど仕掛けていなかった
ダウンを奪ってからの起き攻めでめくりに行けず正面飛び込みしかない場面で、ジャンプ中Kからの起き攻めが多くジャンプ小Pからの起き攻めが少なかったところが気になりました。
前述したとおり、ジャンプ小Pからの起き攻めは距離が離れないため、投げor小竜巻という非常に嫌らしい択を仕掛けることができます。
小竜巻がもしベガの投げ暴れで漏れたパンチにヒットすればダウンからめくりまでついてきてベガ側は非常にリスクが大きいので、基本的にベガは投げ受け身でしゃがみ攻撃を選択することが多くなりがちですが、投げは陣を押す効果が大きいのでダメージ以上のリターンが取れます。
また、小竜巻がヒットしなかった場合でもすぐ背後に着地して大きな反撃をもらいにくいので、かなり強力な連携となります。
もう少しジャンプ小Pからの択が欲しかったかなと個人的には思います。
ベガの前ジャンプ着地直後のホバーに対して大きいカウンターを取れなかった
ジャンプ攻撃がギリギリ届くかどうかという微妙な間合いでベガが飛んできた場合、リュウ側は着地を確認してから大足>波動で押し返すのがセオリーではありますが、その裏択として着地直後のホバーがあります。
ベガのホバーは出した瞬間に足元のやられ判定が後ろに引っ込むため、大足をすかしつつホバーを当てることが可能となります。
しかしこれはベガ側も非常にリスクの大きい行動であり、もし様子見でガードされていた場合はホバーのめり込みに対してしゃがみ中P>大昇竜で大ダメージをもらい、さらにめくりによる起き攻めが待っています。
試合全体を通して、しんのすけさんはこのホバーに対して一度も効果的なカウンターを決められていなかったため、キモ丸さんにどんどんホバーを出される展開が目立ちました。
ベガの遠距離からの前飛び着地に対して大きなリスクを背負わせることができていれば、リュウ側はチャンスをもっと作れていたはずです。
めくりジャンプ大Kの精度が低かった
ベガにとって最も脅威となる起き攻めのめくり攻撃ですが、試合全体を通して起き上がりに重なっていないタイミングでのジャンプ大Kが多く、これが原因でスカってしまうことがよくありました。
これについては、原則ベガはめくり攻撃を表ガードするのがセオリーなのですが、リュウ側はジャンプ大Kのタイミングをほんの少し遅らせることで意図的に裏めくりにすることが可能です。
しかし、この重なっていないタイミングでのジャンプ大Kは、ベガが最初から裏ガードを選択してレバーを入れていた場合、一瞬前に歩いた後に立ちガードのモーションをとり、このガードポーズの判定との兼ね合いでスカってしまうわけです。
はじめから裏ガードを入れているのであれば、当然ですが素直に表めくりのジャンプ大Kを出せばヒットします。
しんのすけさんは裏めくりにしたいがばっかりに、毎回引きつけて深い位置にジャンプ大Kを当てようとしてキモ丸さんの強気の裏ガードいれっぱに対して有効打を与えられなかったので、リュウの最大の武器を活かせなかった試合展開が多かったです。
起き上がりに重なるタイミングでかつ裏めくりになるような飛び込みが理想ではありますが、毎回ベストな場所やタイミングで飛び込めるわけではないので、前述のシステム的な部分の知識を把握したうえできちんと読み合いにしたかったという感じですね。
ベガの起き攻めのめくりを拒否するリバサ竜巻暴れの精度が低かった
ベガも起き攻めのめくりからのコンボでリュウを一気に倒すことが可能です。
ベガのめくりに使う技はジャンプ中Kかジャンプ大Kで、リュウは原則表ガードがセオリーとなりますが、ジャンプ大Kについては打点やタイミングを少し遅らせることで裏めくりにすることが可能です。
めくりがヒットすると一気にピヨりまで持っていかれて試合終了となることも多いゲームバランスなので、表か裏かの1/2に付き合うよりも起き上がりに無敵技で暴れてめくり攻撃を拒否する方がはるかに生存率が高いです。
リュウの場合は昇竜と竜巻の2つが無敵技に該当しますが、特に暴れで強力なのが出した瞬間一瞬無敵になる竜巻で、竜巻の裏からベガ側は頑張っても1発技を当てるので精一杯になりがちなので、コンボで即死するということはなくなるわけです。
竜巻は214+Kが基本コマンドですが、めくりに対して暴れるときは2146+Kと入力することで正入力と逆入力の両方に対応できるテクニックがあります。
自分はできるかぎり精度を高めるために今のところはボタンを押して入力していますが、離し入力であれば竜巻が出なかったとしてもガードを仕込めるため、最終的には離し入力で行うことが理想であると感じています。
総評
しんのすけさんも配信中おっしゃっていましたが、普段の野試合でできていることがこういったタイマン形式のイベントになると緊張してうまく動けないというのはよくわかります。
自分がピックアップした部分自体は、しんのすけさん自身ほとんどわかっていることだと思いますし、自分はイベント前の練習時の動きも見ていたのですが、やはりいつもの動きが出せていなかった印象でした。
もし再度同じ形式でやって今度は読み合いが1周すれば、また違った結果が出ると思います。
タイマンは試合中に冷静に相手の動きを分析して的確に読みを通す力が問われる難しい形式ですが、得られるものは非常に大きいと思いますし、こうして試合内容を振り返ることは今後の対戦に活かす上で非常に重要なことだと思います。
自分がなぜ勝ったのか負けたのかをしっかりと分析し、より安定して勝つ立ち回りを身につけたいところですね。
最後までお読みいただきありがとうございます!