こんにちは、ハジです。

みなさん原神やってますかー

自分はこれまでいわゆるソシャゲというジャンルには一切手を出してこなかったのですが、やっぱり興味自体はありまして、流行りのジャンルをいつかはプレイしてみたいなと思っていたんですね。

そんなときに何かと話題性のあった原神を周りの知人に勧められてリリース当初からプレイしており、現在も変わらず毎日コツコツプレイを続けていき・・・

原神539日目にしてついに冒険ランク60(カンスト)に到達しました!

さて、原神の楽しみの1つといえばずばりキャラの育成!

自分のお気に入りの推しキャラに愛情を注ぎ、もっと強く育てたいと願う気持ちは誰しもが持っていると思います。

しかし、原神のキャラ育成は他のゲームと比較してもかなり複雑で、普通にプレイしても気づきにくい要素がたくさんあり、これだけプレイ人口の多いゲームにもかかわらずそれらを体系的に説明したり根拠を出しているサイトは少なく、なかなか一般プレイヤーに浸透していない感があります。

そこで、本シリーズ「原神大学」では原神における最強育成をテーマに、最終的に自分の力で迷わずに育成を進められるよう、先人のありがたい計算および検証を引用しながら、情報を体系的にまとめてわかりやすく簡単にみなさまにお伝えしていきます!

今回は攻撃力と会心系がもたらす火力上昇効果の直感的な理解についてのお話になります。

※本シリーズにおける最強育成とは、主にアタッカー目線で数学的なダメージ期待値を最大にするための育成です。

なお、前回の内容は以下の記事をご覧くださいませ↓

サブOP1個の数値的価値

これまでに何回か触れてきた内容と重なりますが、聖遺物のサブOPの数値は完全ランダムではありません。

上の表にある通り、それぞれのステータスごとに決まった数値が定められており、各サブOPに対して「低、中、高、最高」の4種類の数値が設定されています。

これまでにお話したように、ダメージ計算の期待値に関わる主なサブOPは攻撃力%、会心率、会心ダメージの3つであり、これらをバランスよく伸ばすことが期待値最大化につながります。

ここで、サブOP1個分の「中」の数値はメインOPの1/10に相当し、小数点第2位は四捨五入されていることが検証結果から判明しています。

そこで、サブOP1点の数値的価値をメインOPの1/10として定め、攻撃力%=4.66%、会心率=3.11%、会心ダメージ=6.22%として以下話を進めていきます。

攻撃力による火力上昇効果の変化

わかりやすい数値を用いてイメージしてみましょう。

例えば今基礎攻撃力が1000(白字)だったとします。

もし一切加算攻撃力(緑字)がなかったとすれば、攻撃力+10%の効果はどうなるでしょうか?

基礎攻撃力に対して1000×0.1=100だけアップするので、最終攻撃力は1000+100=1100となります。

原神のダメージ計算式から、元の攻撃力と現在の攻撃力の比率がそのまま火力上昇効果とみなせるので、

1100/1000=1.1すなわち10%の火力アップにつながることがわかります。

攻撃力+10%が数値通り10%の火力アップにつながっていますね。

次に、攻撃力1100になった状態からさらに攻撃力+10%の効果を得た場合はどうでしょう?

原神において攻撃力+10%は常に基礎攻撃力を基準に計算されるので、アップする量は同じく100です。

よって、最終攻撃力は1100+100=1200となります。

1200/1100≒1.091すなわち9.1%の火力アップとなり、攻撃力+10%の価値が落ちていることがわかります。

もっと実際の仕様に近づけて考えてみましょう。

星5聖遺物の羽レベル20のメインOPには必ず攻撃力311の実数が備わっており、これは加算攻撃力(緑字)に含まれます。

基礎攻撃力1000(白字)に対して、すでに攻撃力311の実数が加算攻撃力(緑字)に含まれていて、表示攻撃力が1311の状態からスタートし、同じく攻撃力+10%の効果を得た場合はどうなるでしょうか?

攻撃力+10%によるアップ量は前述の通り100になりますので、最終攻撃力は1311+100=1411となります。

1411/1311≒1.076すなわち7.6%の火力アップとなり、攻撃力+10%の価値はさらに落ちていることがわかります。

一連の流れからわかることは、攻撃力を上げれば上げるほど攻撃力%の恩恵は薄くなってしまう(希釈される)ということです。

会心系による火力上昇効果の変化

これは厳密に計算して説明してもいいですが、もっとシンプルにイメージしてもらいたいです。

原神において、会心系の初期ステータスは原則「会心率5%/会心ダメージ50%」です。

このままだと、めったに会心が起こらないからほとんど火力上昇効果はないということが直感的にイメージできますよね。

ここで、会心率を理想比1:2になるまで伸ばして25%/50%にすればどうでしょう?

これでもまだ会心率25%ですので、すごく心許ないですよね。

それではさらに伸ばして50%/100%はどうでしょうか?

2回に1回は会心が発生してダメージが2倍ですので、かなり信頼できる火力上昇が見込めそうですよね!

つまり、会心系は最初の期待値が著しく低く、ある程度のところまで伸ばせると目に見えて効果が得られるということです。

それでは、50%/100%から会心率と会心ダメージにサブOP1点ずつ加え、2点分変動した時の火力上昇を考えてみましょう。

50%/100%からそれぞれサブOP1点分を加えると、53.11%/106.22%になります。

ここで、会心補正は下記の通りです。

会心補正(期待値) =1+(会心率% × 会心ダメージ%)

原神のダメージ計算式から、元の会心補正と現在の会心補正の比率がそのまま火力上昇効果とみなせるので、

(1+0.5311×1.0622)/(1+0.5×1)≒1.043すなわち約4.3%の火力アップにつながることがわかります。

次に、66.89%/133.78%→70%/140%(最適な加算攻撃力が最小となるライン付近)に変動する場合のサブOP2点分の効果について同様に計算します。

(1+0.7×1.4)/(1+0.6689×1.3378)≒1.045すなわち約4.5%の火力アップとなり、わずかながら前述の50%/100%→53.11%/106.22%の場合を上回っていますが、ほとんど変化がありません。

さらに、96.89%/193.78%→100%/200%(会心率100%のライン)に変動する場合のサブOP2点分の効果について同様に計算します。

(1+1×2)/(1+0.9689×1.9378)≒1.043すなわち約4.3%の火力アップとなり、わずかながら前述の66.89%/133.78%→70%/140%の場合を下回っているものの、やはりほとんど変化がありません。

ここから言えるのは、会心系は攻撃力%とは異なり効果の希釈が起こりにくく、伸ばせるだけ伸ばしてよいということです!

攻撃力と会心系のサブOP1点分の変動をグラフで理解する

前述の内容を踏まえ、攻撃力%のサブOP1点分がもたらす火力上昇とその希釈の度合い、会心系のサブOP1点分がもたらす火力上昇の変化をグラフに表すと下記の通りになります。

p: 攻撃加算率(緑字/白字)
f: 会心系 (会心率5~25%)
g:会心系 (会心率25~100%)
h: 会心系 (会心率100%↑)

出典:HoYoLAB auxin氏の記事「ダメージ上昇のグラフの極限」

前述の通り、pの攻撃力の特性関数はサブOPを加えれば加えるほど効果が希釈されていきます。

一方で、会心系については、fの特性関数のように振り始めの効果は著しく低いですが、途中からgの特性関数のように大きく効果が表れ、攻撃力の場合と異なり目一杯伸ばしても希釈の影響をほとんど受けないことがお分かりかと思います。

また、お互いの効果量で見たときに攻撃力は振り始めの効果量がかなり大きいですが、希釈に伴いpとgの交点で攻撃力%と会心系のサブOP1点の価値が逆転し、会心系を伸ばすことが優位になるということになります。

なお、1. pとgの交点、2. gの極値、3. gが極値を取るときと同じgの値になる攻撃%(p)の点を計算で求めることで、それぞれ

1. このラインに乗らない内は攻撃に極振りした方が有利な会心系の値

2. この値を超えてくると会心だけではなく攻撃も振り始めた方がいいライン(3の値までは無条件で攻撃力%を伸ばしていることが前提)

3. 無条件で会心に振るより攻撃に振った方が有利な攻撃加算率

がわかります。

計算結果は下記の通りです。

1. 攻撃加算率 = 約119%、会心率 = 約54.7%、会心ダメージ =約109%

2. 会心率 = 約70.7%、会心ダメージ = 約141.4%

3. 攻撃加算率 = 約112%

これは以前お伝えした攻撃力と会心系の最適バランスの内容に関連した部分であり、2と3の内容をまとめると、振り始めの効果が大きい攻撃力は攻撃加算率112%程度まで無条件で伸ばす方が効率が良く、そこから会心系を70.7%/141.4%まで伸ばせたら攻撃力と会心系を相互に伸ばす段階に入る(※第4回目の記事内容と関連している)ということです。

また、1を言い換えると、会心系は振り始めの効果が小さいため、攻撃力との兼ね合いから54.7%/109%程度までは伸ばさないと思ったよりも効果を見込めない※最低でも50%/100%以上を目指す理由)ということです。

会心系を伸ばすことの重要性

攻撃力と会心系の両方をバランスよく伸ばすことが期待値最大化には重要であることは前回までの内容でもお伝えした通りですが、今回お話しした内容から1つ言えることは、会心系は目一杯伸ばしても効果の希釈が起こりにくく、伸ばせるだけ伸ばしてもしっかりキャラを強化できるということです。

振り始めこそ効果量が大きい攻撃力ですが、攻撃力を上げる手段は豊富に存在し、武器効果(千年の大楽章シリーズ、龍殺しの英傑譚など)や聖遺物のセット効果(剣闘士2/しめ縄2/辰砂2/余響2、旧貴族4、千岩4など)、一部キャラの攻撃力上昇バフ(ベネット)などいくらでも使えます。

一方で、会心系は限られた武器のメイン効果や聖遺物のセット効果(氷風4)、一部キャラの会心率あるいは会心ダメージ上昇バフ(ロサリアや九条裟羅など)しかありません。

つまり、サブOP1個分に相当する攻撃力4.66%と会心率3.11%/会心ダメージ6.22%はスコア1点としては同じでも、もたらす火力上昇効果やステータス的な価値は会心系の方が大きくなりやすいということで、突破ボーナスが会心系のキャラや会心系の武器が優秀と言われる理由がまさにこの部分となっているわけですね。

今回のまとめ

サブOP1点の数値的価値をメインOPの1/10として定め、攻撃力%=4.66%、会心率=3.11%、会心ダメージ=6.22%とする。

攻撃力%および会心系のサブOP1点分がもたらす火力上昇の変化をグラフに表すと下記の通りになる。

p: 攻撃加算率(緑字/白字)
f: 会心系 (会心率5~25%)
g:会心系 (会心率25~100%)
h: 会心系 (会心率100%↑)

出典:HoYoLAB auxin氏の記事「ダメージ上昇のグラフの極限」

攻撃力はサブOPを加えれば加えるほど効果が希釈されていく。

一方で、会心系については、振り始めの効果は著しく低いが途中から大きく効果が表れ、攻撃力の場合と異なり目一杯伸ばしても希釈の影響をほとんど受けない。

また、お互いの効果量で見たときに攻撃力は振り始めの効果量がかなり大きいが、希釈に伴い攻撃力%と会心系のサブOP1点の価値が逆転し、会心系を伸ばすことが優位になる

なお、1. pとgの交点、2. gの極値、3. gが極値を取るときと同じgの値になる攻撃%(p)の点を計算で求めることで、それぞれ

1. このラインに乗らない内は攻撃に極振りした方が有利な会心系の値

2. この値を超えてくると会心だけではなく攻撃も振り始めた方がいいライン(3の値までは無条件で攻撃力%を伸ばしていることが前提)

3. 無条件で会心に振るより攻撃に振った方が有利な攻撃加算率

がわかる。

計算結果は下記の通り。

1. 攻撃加算率 = 約119%、会心率 = 約54.7%、会心ダメージ =約109%

2. 会心率 = 約70.7%、会心ダメージ = 約141.4%

3. 攻撃加算率 = 約112%

2と3の内容をまとめると、振り始めの効果が大きい攻撃力は攻撃加算率112%程度まで無条件で伸ばす方が効率が良く、そこから会心系を70.7%/141.4%まで伸ばせたら攻撃力と会心系を相互に伸ばす段階に入る(※第4回目の記事内容と関連している)。

また、1を言い換えると、会心系は振り始めの効果が小さいため、攻撃力との兼ね合いから54.7%/109%程度までは伸ばさないと思ったよりも効果を見込めない※最低でも50%/100%以上を目指す理由)。

攻撃力を上げる手段は豊富に存在するが、会心系を上げる手段はかなり限られている。

そのため、サブOP1個分に相当する攻撃力4.66%と会心率3.11%/会心ダメージ6.22%はスコア1点としては同じでも、もたらす火力上昇効果やステータス的な価値は会心系の方が大きくなりやすい。

突破ボーナスが会心系のキャラや会心系の武器が優秀と言われる理由がまさにこの部分となっている。

本記事作成にあたり、auxin氏の以下の記事が大変参考になりました↓

この場を借りて感謝申し上げます。

次回はサブOPがもたらす最大の火力上昇効果をもとに各ステータスの最適ラインを探っていきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。