こんにちは、ハジです。

みなさん原神やってますかー

自分はこれまでいわゆるソシャゲというジャンルには一切手を出してこなかったのですが、やっぱり興味自体はありまして、流行りのジャンルをいつかはプレイしてみたいなと思っていたんですね。

そんなときに何かと話題性のあった原神を周りの知人に勧められてリリース当初からプレイしており、現在も変わらず毎日コツコツプレイを続けていき・・・

原神539日目にしてついに冒険ランク60(カンスト)に到達しました!

さて、原神の楽しみの1つといえばずばりキャラの育成!

自分のお気に入りの推しキャラに愛情を注ぎ、もっと強く育てたいと願う気持ちは誰しもが持っていると思います。

しかし、原神のキャラ育成は他のゲームと比較してもかなり複雑で、普通にプレイしても気づきにくい要素がたくさんあり、これだけプレイ人口の多いゲームにもかかわらずそれらを体系的に説明したり根拠を出しているサイトは少なく、なかなか一般プレイヤーに浸透していない感があります。

そこで、本シリーズ「原神大学」では原神における最強育成をテーマに、最終的に自分の力で迷わずに育成を進められるよう、先人のありがたい計算および検証を引用しながら、情報を体系的にまとめてわかりやすく簡単にみなさまにお伝えしていきます!

今回は何かと重要視されるようになった会心パラメータと最適比についてお話をしていきます。

※本シリーズにおける最強育成とは、主にアタッカー目線で数学的なダメージ期待値を最大にするための育成です。

なお、前回の内容は以下の記事をご覧くださいませ↓

会心率と会心ダメージの概要

ゲーム内では会心率と会心ダメージの2つの要素が存在し、初期状態では原則として全てのキャラが会心率5%、会心ダメージ50%に設定されています。

これはどういう意味かを考えていきましょう。

まず、会心率が5%ということは、100回ダメージを与えると確率上5回は会心が発生するということです。

こちらはかなりイメージしやすいかと思います。

次に、会心ダメージが50%だということですが、これは会心が発生した攻撃はいつもよりも50%ダメージが伸びるということです。

ここで間違ってはいけないのが、会心ダメージは通常のダメージにボーナスとしてプラスされるということで、本来のダメージが100%(1倍)として、会心が発生した時はその50%分が上乗せされるということなので、実質150%(1.5倍)のダメージを与えるということです。

会心率と会心ダメージの具体例

さて、会心率と会心ダメージの関係について具体的にシミュレーションしてみましょう。

以下、ここではわかりやすいように会心パラメータのみが変動するものとし、それ以外の要素は固定として基本ダメージを100と仮定します。

100回攻撃してもし一切会心が発生しなければ、与える総ダメージは、

100×100=10000

となります。

ここで、会心率を5%に設定すると、非会心が95%ということになります。

また、会心ダメージ50%であれば、会心が発生しなかった場合の通常ダメージ100に対して、会心時は100×1.5=150となります。

よって、もし100回攻撃して確率通り100回中5回だけ会心が発生するとした場合、ダメージの計算(期待値)は、

100×95+150×5=10250

となりますね。

つまり、全く会心が出ない時と比べて250(2.5%分)ダメージが伸びていることになり、会心がダメージを伸ばす要素であることがご理解いただけるかと思います。

会心率と会心ダメージの関係式

会心率と会心ダメージの関係式を一般化します。

文字式を展開してもよいのですが、そこらへんは省略(笑)

会心補正(倍率)は、非会心時は1、会心時は(1+会心ダメージ%)

会心補正(期待値) =1+(会心率% × 会心ダメージ%)

出典:原神 Wiki ダメージ計算式

となります。

前述の会心率5%、会心ダメージ50%のケースであれば、

会心補正=1+(0.05×0.5)=1.025

となり、1倍のときと比べて1.025倍=2.5%分期待値が上がるということです。

ここでおさえてもらいたいのは、会心率と会心ダメージは「乗算(かけ算)」の関係にあるということです。

会心率と会心ダメージの最適比

いよいよ今回の本題に入ります。

会心率と会心ダメージが乗算関係にあるということは、以前の話の流れで両者が同じ数値になるように満遍なく上げれば期待値が最も大きくなりそうです。

ここで、会心率は100%が最大でこれ以上大きくしても意味がないため、ひとまずの最大期待値は会心率100%/会心ダメージ100%になるはずですよね。

しかし、原神のゲームシステムにおいてはこれは誤りとなります・・・

理由は、原神は会心率と会心ダメージの上げやすさが異なるからです。

具体的に聖遺物のメインOPの会心率と会心ダメージの値を見てみましょう。

星5聖遺物の冠のメインOPのみ会心率および会心ダメージが存在し、それぞれレベル20で会心率は31.1%、会心ダメージは62.2%となっています。

また、サブOPについては多少のばらつきがあるもののメインOPの1/10に相当する値が設定されています。

つまり、会心ダメージは会心率よりも見た目上の数値は2倍上げやすいということです。

こうなると、乗算の期待値最大化の話は少し事情が変わってきます。

「2」と書かれたカードが6枚あります。すべてのカードをAの箱とBの箱にそれぞれ振り分けたとき、Aの数字の合計とBの数字の合計のかけ算が最大になるのは?

という問いに対しては、

1枚と5枚→2×10=20
2枚と4枚→4×8=32
3枚と3枚→6×6=36(最大)

両者が同じ数値になった時が最大となるのはやはり間違いありません。

しかし、今回はこういう問いになっています。

「2」と書かれたカードと「4」と書かれたカードがあります。Aの箱には2だけ、Bの箱には4だけを、両方合わせて6枚だけ入れたとき、Aの数字の合計とBの数字の合計のかけ算が最大になるのは?

この場合、

1枚と5枚→2×10=20
2枚と4枚→4×16=64
3枚と3枚→6×12=72(最大)
4枚と2枚→8×8=64
5枚と1枚→10×4=40

両者が同じ「数値」になった8×8=64が最大ではなく、両者に同じ「枚数」のカードを入れた6×12=72が最大となり、この時のAの数:Bの数=6:12=1:2となっています。

これを数学的に一般化して証明することもできますが、やはりそんな難しいことを言うのはなしにして、

「かけ算の関係にある複数の要素において、伸ばしやすさに違いがある時は同じ労力をかけた時が答えが最大になる

というのを今回の話で理解していただきたく、この延長線上の話が会心率と会心ダメージの最適比になります。

つまり、数値の伸ばしやすさ(伸び幅)を考慮して、

「会心率:会心ダメージ=1:2が最も期待値が高くなる」

ということです!

こんな感じに伸ばせればOKです。

よくある会心に関する誤解

ここではよく見られる会心に関する誤解について、自分なりに考察していきます。

会心率は60%程度あれば十分

60%程度で十分という主張は、それなりに会心が発生していることが見た目の数値的に感じられるのがこれぐらいのラインだからという主観から生まれたものだと自分は思っていまして、ダメージの見た目の数値自体を気にして意図的に会心ダメージ過多の育成をしている方もいまだに多く見られる印象があります。

数学的には、理想比率1:2を保つことを前提として、会心率は100%に到達するまではいくらでも伸ばす価値があり、前述の通り1:2を外れると労力に対して期待値は下がっていきます。

それでは、実際に理想比率が1:2から外れるとどれぐらい損をするのでしょうか?

以下は、会心率80%/会心ダメージ160%という理想的な1:2の比率を基準に、会心率を下げて同じ会心期待値を保つような会心ダメージを想定し、聖遺物のサブOPスコアの損失を算出したものです。

率/ダメ →差分のスコア化      ロス
80/160            0
75/170.7 →  1.61/1.72        -0.11点
70/182.9 →  3.22/3.69        -0.47点
65/196.9 →  4.83/5.95        -1.12点
60/213.3 →  6.45/8.6          -2.15点

※会心率80%/会心ダメージ160%を基準に、同じ会心期待値を保つように会心率を下げて会心ダメージを上げたパターンを抜粋。
※サブOP1個分の価値を会心率3.11%/会心ダメージ6.22%と定め、それぞれスコア1点とみなす。
※会心率80%/会心ダメージ160%を基準に各パターンにおける会心率と会心ダメージの差分をスコア化し、ロスを算出。

これを見ると、理想比率1:2の会心率80%/会心ダメージ160%に対して同じ期待値を会心率60%台で得るためには、会心率65%/会心ダメージ196.9%、会心率60%/会心ダメージ213.3%というように会心ダメージ過多になるのですが、ロスが1点を超える=サブOP1個分以上を無駄にしているということになります。

つまり、理想比率1:2から大きく外れると聖遺物のサブOP強化の回数が1回分以上帳消しになるわけです。

前回の内容で触れましたが、聖遺物のサブOPにはランダム性があるので、狙った効果(主に攻撃力%、会心率、会心ダメージ)が複数ついた聖遺物を厳選するのは非常に骨が折れますし、さらにそれらの強化回数には限りがあるため、理想比率1:2から大きく外れて強化回数を損してしまう方向で育成するのは得策ではありません。

会心率:会心ダメージ=1:2を外れると全体として必ず期待値が下がるということを数学的に理解してください。

一方で、会心率70%台の場合のロスは1点未満とさほど大きくなく、形式的に何が何でも1:2という理想比率に無理に近づける意味合いは薄いとも言えます。

聖遺物の厳選を実際にやってみるとわかりますが、きれいに1:2の理想比率になることの方が稀で、実際は狙った効果が複数ついていてかつそれらが多く強化された聖遺物をそれぞれ優先的につけるのがセオリーとなり、そのうえで会心比率を1:2のバランスになるべく近づける方向性で調整することになります。

なお、会心率を60%程度におさえて会心ダメージを過多にするということは、会心発生時の見た目のダメージは確かに大きくなります。

原神の現状のゲームバランスにおいては、高難易度コンテンツを含めて再挑戦で試行回数を稼ぐことが比較的容易なため、運が良ければ確率が上振れして期待値以上のダメージを短期的に出すことができ、そのおかげでゴリ押しできるケースがないとは言えません。

ただ、これは裏を返せば確率が下振れすることもあり、その時は想定以上にダメージが出ないということになります。

結局会心率60%程度では期待値の観点からそれ相応の会心しか出ませんので、どうしても見た目のダメージの大きさにこだわりたいという場合を除いては理想比率1:2の原則を守る方が望ましく、聖遺物の厳選がうまく進まず比率が崩れるのは致し方ないとしても、意図的に1:2を崩して会心ダメージ過多にするのを目標に育成することは個人的に推奨しません。

なお、料理で会心率を補えることを考えて、会心率は80%台で十分という考え方も一部で聞きます。

特定の高難易度コンテンツでは料理を併用して挑むことが確かに可能で、作成難易度の割には料理効果が大きいことを考慮するとこれは一理あると言えるかもしれません。

もちろん料理を使わないということであれば、やはり100%/200%まで原則1:2の比率で伸ばし続けるのが理想となります。

攻撃力よりも会心系をとにかく優先的に伸ばす

これもよくある誤解です。

これまでのお話の内容をおさらいすると、原神のダメージ計算で差が出やすい要素は攻撃力と会心とダメージバフの3つであり、それぞれ乗算関係にあるので3要素を満遍なく伸ばさないとトータルで最大期待値に近づきません。

よく率/ダメを非常に高水準で伸ばした画像が見られますが、このときセットで必ずチェックしないといけないのが攻撃力です。

伸ばしにくいステータスである会心ですが、せっかく会心を大きく伸ばしても他が疎かになっていると本末転倒となってしまいます。

詳しくは次回の内容で触れますが、攻撃力もしっかり確保した上で会心を伸ばすのがセオリーです。

また、攻撃力を確保した上で会心も伸ばす都合上、会心率100%/会心ダメージ200%に到達するのはほとんどのキャラで実現が難しく、実際には無理のない範囲で理想比率1:2を目指すことになります。

率/ダメの大まかな目安として、

会心が上がらない武器を持たせる→60%/120%~70%/140%

キャラの突破ボーナスが会心or会心を伸ばす武器を持たせる→75%/150%~85%/170%

キャラの突破ボーナスが会心&会心を伸ばす武器を持たせる→90%/180%~100%/200%

このあたりをラインに育成をするとわかりやすいかと思います。

なお、原神にはベネットのような大幅に攻撃力を加算するサポーターや、同じく味方全体の攻撃力を一時的に上昇させる武器や聖遺物が存在します。

こういった攻撃力バフを併用するのであれば攻撃力の要素はクリアしやすく、攻撃力を気にしなくてよい分さらに会心を伸ばすという考え方も成立します。

ただし、ベネットはその性質上どのPTにも組み込める汎用性があり、複数PTの構築が必要なコンテンツでは取り合いになることを考えると、ベネットなしでも火力を出せるような育成を詰めることが望ましく、ベネット以外の手段で攻撃力バフを受けられるとしてもある程度のラインまでは攻撃力をきちんと伸ばす必要があると言えるでしょう。

今回のまとめ

原神の会心補正に関わる期待値計算式は以下の通り。

会心補正(期待値) =1+(会心率% × 会心ダメージ%)

会心率と会心ダメージは乗算関係にあるが、原神では会心率と会心ダメージの数値の伸ばしやすさ(伸び幅)が1:2であり、

会心率:会心ダメージ=1:2の比率で会心系を伸ばすのが最も期待値が高くなる!

ただし、形式的に何が何でも1:2という理想比率に無理に近づける意味合いは薄く、実際は狙った効果が複数ついていてかつそれらが多く強化された聖遺物をそれぞれ優先的につけるのがセオリー。

聖遺物厳選の過程で結果的に比率が崩れるのは致し方ないとしても、意図的に1:2を崩して会心ダメージ過多にするのを目標に育成することは非推奨。

会心だけを伸ばすのではなく、攻撃力もしっかり確保しなければならない。

ただし、武器効果やサポーターによる攻撃力バフを借りるなどして攻撃力が十分確保できるのであれば、会心系に特化してひたすら伸ばすという考え方もある。

次回は、実はほとんどのプレイヤーが意識できていないかもしれない「会心の理想比率1:2を前提とした攻撃力の必要性と期待値最大化について」のお話になります。

第4回目の内容はこちらから↓

最後までお読みいただきありがとうございます。